読み終えたハードカバーの本をパタリと閉じて、下を向いた。
(どしたどした)
震えていた。
(大丈…夫…?)
それを膝の上に置いて、天井を見上げた。静止…3秒。
(今度は何!)
そして、にやっと笑った。
(こここわい!)
※カッコ内は、心の声をお送りしています。
見ず知らずの人にこれほど感情を揺さぶられたのは初めて。
間接的に弄ばれた。
会話もしてない、目も合わせてない。なのに、持ってかれた。
読み終えたあの本が、彼をそうさせたのは確実。
何をどうこねくり回してそうなったのかは不明。
読んでいた本が何なのかハイパー気になる。
福家書店のカバーが邪魔してうっすらとしか見えない。くそっ。
私も本を読んでそんな顔したい。
誰かの心揺さぶりたい。
これ
ある日、西武新宿線に乗っていた時の話。